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【保育士が教える】意外と知られていない家庭での絵本読み聞かせのコツ
知育のために良い絵本は探すけど、「どうやって読み聞かせたら効果が高い」かは無頓着の方が多いです。
幼児教育に熱心な方は毎日絵本を読み聞かせてますよね?せっかくの読み聞かせタイム、自分のためにも子供のためにもあと少しだけ「効果的な絵本の読み聞かせ方」を実践してみてはいかがでしょうか?
そんな方のために、本記事では「絵本読み聞かせのコツ」を紹介します。
この記事を書いているのは、これまで何千回も絵本の読み聞かせをしてきた保育士です (経験17年) 。3人のわが子にも毎日のように絵本を読み聞かせ、気付けばすっかり絵本好きになっていました。
- 6歳長女は暇があると1人で絵本を読みます
- 長女が次女に絵本の読み聞かせをします
- 2歳次女は毎日のように自分で絵本を朗読しています
効果のほどは、下記の動画を見てください。2歳2ヶ月の次女が、1人で絵本の朗読をしているところです。
どうでしょうか? 2歳でここまで絵本に親しんでくれると何だか嬉しい気持ちになりませんか?
保育士が教えるコツ① 絵本を読み聞かせる環境が大事
ひとつひとつのコツは簡単。「なんだ~こんなことか」と思われるかもしれません。でも、「そんなこと」が実は大切!専門的に見てもきちんと理由があるんです^^
まずは読み聞かせの環境を整える
一番重要!!・・・そして、意外とできていないのは、「絵本を読み聞かせる環境を整える」ということです。
集中できるように周りののおもちゃは片づけておく
子どもは視覚に入るものに興味をとらわれがちです。環境を整えておくと、絵本に集中することができ、読み聞かせの効果が倍増します。
よく児童館などで見かけませんか?親が絵本を読んでいる途中で楽しそうに「ブッブ~ッ♪」と車のおもちゃを片手にどこかに出発していく子どもの姿…!
お家では特にテレビなどの、目・耳から入る刺激となるものは消しておきましょう。
- 絵本の世界に入り込みやすくするため
- 今は絵本の時間だと認識しやすくするため
絵本が好きになってしまえば、おもちゃがゴロゴロ転がっていても集中できるようになります。我が家はもうぐちゃぐちゃです・・・。
基本の姿勢はおひざにだっこ
小さいうちは特に大事です。
絵本を読む時間が特別な空間に早変わり!親との触れ合いにより安心感が湧き、親にもまたリラックス効果が生まれます。2人以上の時は両側に子ども、身体のどこかが触れ合うといいですね。
また、子どもと同じ視線になるので一緒に絵本の世界に入り込むことができ、子どもとの応答的なやり取りが可能になります。
絵本を好きになるためには、「子供にとって絵本を読む時間を楽しくすることが重要」です。
その子の発達年齢に合った絵本を用意する
ここで注意!発達年齢です。
実際の年齢ではなく、その子がどのくらいの絵本が理解できるのかに合わせます。これが合っていないと、平仮名しか読めない子どもに新聞を渡すようなものです。
- 0~1歳・・・擬音・擬態語(オノマトペ)の絵本、色や線のはっきりした絵本、身の回りのものの絵本、リズム感のある絵本
- 2~3歳・・・日常生活に寄り添った絵本、繰り返しの絵本、歌絵本
- 3~4歳・・・ものがたり絵本、ロングセラー絵本 などなど
静と動の活動を意識して読み聞かせる
意味わかりませんよね。保育の世界では当たり前のように使われる言葉で、実践されています。
静=静かな活動(遊び)
動=活発に身体を使う活動(遊び)です。
子どもはこの2つのバランスをうまく取り入れると集中力が養われ、身体が育ち、落ち着いた行動につながっていくという・・・云々かんぬん。
要は子どもはじっとした遊び(ここでは絵本の読み聞かせ)だけだと動きたくてうずうず!!動いてばかりだとぐったりして集中力0!!
となってしますのです。何となくわかりますか?
なので、絵本の読み聞かせをするにはある程度外で遊んだ後の食事前後、お風呂の後眠る前のリラックスタイムなどが良いとされます。遊び疲れてぐったり・・・の時は歌絵本のようなものがおすすめです♪
保育士が教えるコツ② さあ、絵本を読み聞かせてみよう!
始まりの合言葉を決める
読み聞かせの会などに行くと、よく「はじまるよ♪」などの歌を歌ってから読み聞かせが始まります。これは子どもの気持ちを切り替えるテクニックなんです。
お家ではそこまでしなくても「今日のお話、はじまりはじまり~っ」といった言葉で十分!毎回の合言葉にすることで、子どもが絵本の時間だと認識することができます。
ぎゅ~っと抱きしめてからなどのスキンシップでもいいですね♪
特に0~1歳の小さい子どもには行動をパターン化することでこれから何が始まるのかが理解できていきます。
絵本の表紙と背表紙を見せる
絵本の世界は表紙から始まり、背表紙で終わります。
絵本は「絵」がメインの本です。「絵」に情報があり、文字や文章は絵の補助の役割なのです!
見開きのタイトルの絵も飛ばさないで~っ!!作品によっては表紙と背表紙がつながっているものもありますよ。
文章を省略したり増やしたりしない
絵本の文章はその言葉と絵が一体となって完成されています。
ピアノの曲で楽譜と違う音で引いてしまうと違和感があるように、絵本の言葉を変えてしまうと作品の世界が間違って伝わってしまいます。抑揚もつけすぎるとお邪魔虫・・・舞台の台本じゃないんです。「絵」本なんです。
・・・くどいですか?
もちろん、子どもが何度も読んで知っている作品の言葉を変えてやりとりを楽しむ遊びやあえて間違って指摘するなどの遊びはいいと思います。子どももゲラゲラ笑って真似ることも・・・!この場合は読み聞かせではなく、言葉遊びやコミュニケーションが目的になっていますね。
読んでいるときの子どもの問いかけや発言は必ず受け止める
ものの名前絵本やふれあい遊び絵本などのやりとりは別ですが、ストーリーの中に子どもが入り込んでいるのならば、大人からの問いかけや語り掛けは必要ありません。
子どもがふと気になった事や、思わず口から出た言葉には「そうだね」「どうしてかな?」などの共感を示し、気持ちを受け止めてあげてください。
また、読んでいる途中で子どもがパラパラと本をめくっていくときは、めくることの動作を楽しんでいたり、絵が変わっていく様子を楽しんでいたりします。
「まだ読んでるよ」「最後まで見て」・・・キーッ!!なーんてしてしまうと「絵本の時間は自分の好きにできない時間=楽しくない」になってしまいます。
感想を言わせない
絵本が終わると、子どもはしばらく絵本の世界の余韻に浸ります。映画を見た後にその世界から現実に戻るまで、大人でも少し時間がかかりますよね?内容によっては現実と照らし合わせたり、空想にふけったり・・・。
子どもも頭の中で情報整理をしています。すぐに話し始める時もあればしばらく考え込むときもあります。
ここで大切なのは「言わせない」ということです。読んだ後にはにこにこ静かに待ってみてください。自然と子どもから何か言葉が出るはずです。それを受け止め、応えることで子どもの興味がぐっと深まります!
どうしても聞きたい時は「楽しかった?」ではなく「どうだった?」と開かれた質問で子どもの気持ちを引き出してみてください。
繰り返し同じ本を読む
何度も同じ本を読むことで、子どもの中で理解が深まっていきます。お気に入りの場面ができたり、文章を覚えて真似たりすることもあります。
たとえ0歳の赤ちゃんでも、毎日同じ絵本を見せながら声をかけると、じっと見つめる時間が長くなっていきます。
内容に合わせた速度で読む
大人の都合で急いで読んだり、省略することはせず、基本は話し言葉より少しゆっくり、はっきりと読むことで言葉を理解しながら絵本の世界に入り込むことができます。
その日あった出来事や季節に合わせた絵本を読む
子どもは体験したことを物事に投影し、自分のものにしていきます。雨が降ったら雨の絵本を通して「雨」がどういったものかを理解していきます。
そしてごっこ遊びや会話に取り入れながら自分のものにしていくのです・・・!
子どもがいつでも自分で手に取って読める本棚にする
きれいな本棚、ピカピカの本!にしておきたいものですが、子どもの目の高さに表紙や背表紙があり、いつでも好きな時に自分で取れる本棚が理想です。ぼろぼろの絵本は何度も手に取った証です!
カラーボックスなどに本を入れる場合はキュンキュンに入れずに、ゆとりをもって入れるといいですね。
【まとめ】意外と知られていない家庭での絵本読み聞かせのコツを保育士が解説
長々書きましたが、、、絵本の世界は年齢を重ねるごとに、言葉の理解が深まるごとに無限に広がっていきます♪空間も必要なく、静かに、一瞬で別の世界に行くことができるツールです。
ちょっとしたコツを一つでも多く取り入れ、継続してみてください。気が付いたら読み聞かせをせがまれるようになっているはずです♪
なぜ絵本の読み聞かせがいいのかは調べると沢山出てきます・・・が!何よりも子ども自身がとても楽しそうに絵本を読む姿を見ると、理屈はどうでも良く感じるはず!豊かな発想力、生き生きとした姿、思いやりや思考力等々。そして、読み聞かせを通して親の心も一緒に育つことができます。
実際に、我が家の長女(6歳)と次女(2歳)は大の絵本好きに育っています。まだ半年のバブーも半分絵本を食らいながら親しんでいます。
以上、少しでも育児の手助けになればうれしいです。
おわり。
絵本読み聞かせのコツ
- 読む前におもちゃを片付ける
- 基本姿勢はおひざにだっこ
- 発達に合わせた絵本を準備
- 静と動を意識
- 始まりの合図を決める
- 絵本の表紙と背表紙を見せる
- 内容を省略しない増やさない
- 問いかけや発言を受け止める
- 感想を言わせない
- 繰り返し同じ本を読む
- 内容に合わせた速度で読む
- 出来事や季節に合わせた絵本を読む
- 子供が自分で手に取れる場所におく