現役保育士と研究者が育てる能力、非認知能力とは何か?

    この記事でわかること
    • 最近話題の非認知能力とはなんのこと?
    • 教育改革にも盛りこまれたらしいけど、ポイントは?
    • 子供が身に付けるとどんな効果があるの?

    そんな疑問に答えます。

    非認知能力とは、学力以外の能力(主体性や粘り強さなど)のこと。
    かんたんにいうと、社会を生き抜くための人間力!

    いま、世界では「変動する社会で活躍するためには非認知能力が重要である」という流れになっています。

    文部科学省も教育改革に取り入れました。

    この非認知能力を知らずに目に見える育ち(知的な能力)にばかり焦点を当てた子育てをすると
    いざ社会に出た時、臨機応変な発想の転換や、壁にぶつかったときに切り開く力がついていない!
    ・・・なんてことに!?

    やばい!!時すでに遅し・・・
    イヤイヤ、小さいお子さんの育児に奮闘中の今、まだまだ間に合います。
    この記事を読んでサクッと非認知能力について理解しましょう。

    みなさんの子育ての参考になれば幸いです。

    タップできる目次

    非認知能力とはなにかを具体的にイメージしよう!

    非認知能力とは【なんとなく理解でOK】

    子どもの能力っていうと、真っ先に思い浮かぶのは「学力」ですよね?
    この学力を専門用語で認知能力といいます。(IQだったり読み書きなどの目に見える知的な能力)

    学力以外の能力=非認知能力です。
    学力では測れない内面の力。つまり生きるための人間力です。

    粘り強さや、困難にぶつかったときに解決する力、他者と協力する力や新しい発想・転換の力などなど・・・
    これらの数値化できない能力のことです。

    たとえばこんな人いませんか?

    • 学力は高くても協調性がなくて仕事ができない人
    • 学力が低くても統率力があって仕事ができる人

    社会で成功するためには、非認知能力が重要です。
    この非認知能力を積極的に育てていこうというのが、今の教育トレンドです。

    非認知能力を育てるためには幼児教育が重要

    なぜなら、人間の脳は3歳までに80%が完成され、性格や気質は幼児期の環境によって大きく変化するからです。

    非認知能力の種類は?

    非認知能力って「これだ!」って決められた能力はないんです。

    なぜなら、数字で測れないからなかなか決められない。
    たとえば、「やり抜く力」と「粘り強さ」って似たような力ですよね。

    なんとなくでいいから、どんな種類があるか知りたい!

    私が教育論文などを参考に分類したもの中で、社会で活躍するために特に必要な能力を紹介します。

    ①正解のない問題に立ち向かって解決する力

    これまでは、「正解の決まった問題を効率的に解く力」が求められました。なぜなら、決まったものを大量に効率的に生産すれば儲かったからです。

    たとえば、自動車やパソコンです。安くて性能の良いものを作れば売れました。

    これからは、「正解のない問題を解く力」が求められます。なぜなら、「モノからコト」に求められるものが変わってきたからです。

    たとえば、自動車が自動運転になると、走行中は暇になります。
    その時、どんなサービスを車に付けたら売れますか?
    という問題を解く能力です。

    こんな力が求められる
    • 問題解決力
    • 批判的思考力
    • 想像力
    • やりきる力
    • チャレンジ精神

    ②対立する課題を折り合いをつけて進めていく能力

    グローバルにみると、環境問題とかポピュラリズムとか、それぞれ意見が異なる問題をより良い方向に導く力です。

    ビジネスでは最も重要な力のひとつですね。

    日本も実は移民大国で多くの外国人が住んでいますし、企業では「ダイバーシティ」という言葉が強く叫ばれてます。

    子供が大人になるころには、人種や価値観の異なる人と仕事をすることが当たり前になるでしょう。

    こんな力が求められる
    • 主体性
    • 協調性
    • コミュニケーション能力
    • 共感性

    ③やり抜く力

    これが社会では、いちばん大事な能力です。

    「GRIT」という言葉を知ってますか?
    下記の頭文字をとった言葉です。

    ・度胸(Guts):困難に挑み、逆境に立ち向かう勇気
    ・復元力(Resilience):挫折から立ち直る復元力
    ・自発性(Initiative):主体的に物事に取り組む力
    ・執念(Tenacity):どんなことがあっても物事に集中しつづける能力

    GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力より引用」。

    成功した人を探っていくと、才能や頭の良さではなく、共通点は「やり抜く力」だったという研究です。

    物事をやり抜くためには、少しの失敗で「くじけない心」や辛いことがあっても「立ち直る復元力」が大事です!

    こんな力が求められる
    • やり抜く力
    • くじけない心
    • 立ち直る復元力
    • 主体性

    性格も非認知能力のひとつだと言われてます

    りり

    性格って能力なの?

    たとえば、ビッグ5という性格の分類の仕方を見てみましょう。

    性格(ビッグ5の分類)
    • 勤勉性
    • 開放性
    • 外向性
    • 協調性
    • 精神的安定

    このように分類して、「アメリカでは協調性が低い方が成功しやすい」みたいな研究がたくさんされています。

    性格も非認知能力のひとつ

    非認知能力とは昔から大事だと言われてきた能力

    結局は非認知能力って昔から大事だと言われてきた力ですよね。

    子育てしていると、「早期教育がよい」とか、「どこの教材が良い」とか学力を上げる手段に目が行きがちですが、
    「学力以外にも育てなきゃいけない能力があるよ」と覚えておきましょう。

    非認知能力は世界で注目されている

    非認知能力が注目されている理由について説明します。

    なんで非認知能力が世界でブームなの?

    理由は3つあります。

    • 学力だけ高くてもビジネスで成功できないから
    • 非認知能力が高いと学歴や年収が上がる!研究結果がでてきた
    • 変化の大きい時代に対応するには非認知能力が必須

    日本の学力偏重主義はもう古いですね。。。

    具体的に世界の教育の流れはどんな感じ?

    子育てをする上で世界のトレンドを知るのは非常に重要です。

    世界でも昔は学力偏重主義だった

    でも、研究が進むにつれて

    • 学力が高くても将来成功できる訳ではない
    • 非認知能力が将来の成功と関係がある

    という理由で、学力偏重の方向性が見直され始めました。
    その結果、世界の教育方針がどうなったかを見てみましょう。

    OECD(経済協力開発機構)36カ国で構成される国際機関

    OECDは「2030年に生きのびる力」というレポートを出しています、そのレポートでは下記の3つの力が必要だと報告されています。

    1. 新しい価値を想像する力
    2. 対立やジレンマを克服する力
    3. 責任ある行動を取る力

    必要な力は学力だけでは無い事は明白ですね。

    もちろん学力は必要な能力ですが、その知識・スキルをを使ってどうやって問題解決していくかが問われています。
    なぜなら、単純な学力ではAIに勝てないからです
    OECD Education 2030

    1. 2018年度に幼稚園、保育園の教育・保育要領に非認知能力が追加
    2. 2020年度に小学校の教育指導要領に非認知能力が追加
    3. 2021年度からセンター試験が思考力・判断力・表現力を重視する傾向に変更

    日本

    日本も単純に学力が高い人材が評価される時代から、非認知能力重視の傾向に変りつつあります。
    幼稚園と保育園の指導要領
    小学校の学習指導要領

    これを知らずにいると、

    「学力重視の子育てをしたら、子どもが大学生になった頃に非認知能力重視のセンター試験になった!」なんてことになりかねません。
    実際に、2021年から思考力や判断力など、これまでの単純知識以外の力を試す方向にセンター試験が変わります。

    もの凄く速いスピードで変化していくこれからの時代に、子どもたちが適応して自分らしさを発揮できるためにはどのような子育てをしていけばいいのでしょうか?
    そのカギとなるのが認知能力になります。

    非認知能力があるとなにが良い?【結論だけ簡単に説明】

    非認知能力を高めると何が良いの?

    ノーベル経済学者ヘックマンさんの研究

    非認知能力が注目を集めるきっかけになった研究。

    この研究は、就学前の幼児教育で非認知能力を高めると、その子が40歳になった時点で、下記のような成果が上がることが示唆されました。

    非認知能力を高めるメリット
    • 学力が上がる
    • 学歴が上がる
    • 将来の年収が上がる
    • 将来の持ち家率が上がる
    • 犯罪率が減る
    • 健康になる

    Analyzing Social Experiments as Implemented: A Reexamination of the Evidence From the HighScope Perry Preschool Program(英語です)

    これは下記記事で詳しく説明します!

    非認知能力が上がれば学力も上がる!

    りり

    えっ、学力もあがるの?

    たとえば、下記のような考え方ができるね。

    • 自制心があれば、目先のゲームなどの誘惑に負けず勉強できる
    • 自己肯定感があれば、少し点数が悪くても次がんばれる
    • やり抜く力があれば、困難な課題にぶつかっても乗り越えられる

    反対に

    • 誘惑に負けず勉強を頑張れば、自制心がのびる
    • がんばった結果が良ければ、自己肯定感がのびる
    • 難しい課題を乗り越えれば、やり抜き力がのびる

    社会で活躍してる人も非認知能力が高い

    社会に出て

    • センター試験何点だから優秀だ
    • 東大出たから優秀だ

    という認知能力(学力)より

    • 粘り強く交渉できるから優秀だ(粘り強さ)
    • 人たらしで契約を取れるから優秀だ(共感力)
    • 視点が人と異なるから価値がある(想像力)

    といった面が評価されます。社会はテストのようなパターンを解決していくだけでは生き抜いていけないからです。

    そうであれば、学力だけでなく、非認知能力を重視することが良く分かります。

    【具体例】非認知能力が高いと社会で活躍できるはなし

    私は地元の国立大学(旧帝大ではない)を卒業して、従業員数万人の企業で研究開発をしています。

    まわりに東大卒、京大卒の社員と競争して成績は常にトップ5%。社長表彰や特許出願賞などを何度も表彰されています。自慢したいわけではなく、学歴が低くても活躍できるという話です。

    なぜ活躍できているかを考えると、圧倒的に非認知能力が高いから

    確かに、東大卒の社員と比較すると難しい理論を展開する力(認知能力)は圧倒的に劣ります。

    「3日かけて解析して理論立てたのに、東大卒の後輩は1時間で同じことができた・・・」なんてことは良くあります(笑)

    でも、頭の良い人材はいくらでもいるんです。
    さらにAIが発達すればAIにやらせればいい。

    ほんとうに必要な人材は

    • みんなを束ねて同じ方向に向かわせる人材(統率力)
    • ここぞという場面で顧客を納得させる人材(交渉力)
    • 誰も思いつかない新しい価値を想像できる人材(想像力)

    社会人の方は分かりますよね?

    そして社会では難しい理論が分かることよりも、非認知能力が高いことが評価されます。

    「非認知能力とは」まとめ

    • 非認知能力は学力(認知能力)以外の能力
    • 世界、日本ともに非認知能力重視の傾向
    • 伸ばすと学力向上、年収向上などの効果がある
    • ビジネスでも必須の力

    世界は変化しています。
    旧来の教育法に疑問を持ち、最新の変化に対応した子育てをしましょう。
    子どもが活躍する20年後を見据えて、、、

    世界では常に「社会に必要な人材を育てるための教育法」について研究・議論されています。その情報を勉強して更新していきたいと思います。

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